ナッシュさんの送別20人組手が行われた。
ナッシュさんは新宿道場所属ではあるが早稲田同好会の稽古やイベントにも参加してくださっているナイスガイである。
他流派で10年以上の空手歴を持ち、その鍛え上げられた肉体はまさに実写版ストリートファイターといった感じだが、この度、ビザの関係もあり一度帰国しなければいけなくなったそうで、今年の夏までしばしのお別れになることとなった。
そこで、この度、恒例の連続組手を行うこととなったのだが、掛かり手の人数はなんと“当日来た人全員”。結局当日は20人が集まり、20人組手が行われることとなった。
この過酷な20人組手は早稲田同好会前主将の井上先輩から幕を開けた。
ナッシュさんは自慢の柔軟性を活かして踵落としなどダイナミックな技を見せていく。
しかし、その後も黒岩先輩や旗手先輩、柳田先輩、高林先輩といった茶帯、緑帯の先輩方を中心に人数を重ねていくごとに、さすがのタフマン、ナッシュさんも疲労の色を隠せなくなってくる。中でもナッシュさんに一番のダメージを与えたのは今回女性では唯一の参加となった同好会主将の間々田先輩であろう。開始早々、間々田先輩の強烈な下段回し蹴りがナッシュさんの左腿をとらえ、それと同時に道場に呻き声が響きわたった。さすがは早稲田同好会主将。年末の格闘技番組にも負けないこの衝撃的なシーンは見事に瞬間最高視聴率をかっさらっていった。
そんな20人組手の最後の一人は森先生であった。もう体力の限界をとっくに超えているナッシュさんは気力だけで突きを出していく。
そしてついに20人組手完遂。
20人組手が終わると、参加者全員のメッセージが込められた色紙がプレゼントされた。
20人を戦い抜くことは並大抵の辛さでは無かったと思うが、これを見事やり抜いたことは、日本でのプライスレスな思い出としてナッシュさんの心の中に刻まれることだろう。
その後には年末恒例の道場の大掃除が行われた。
また、掃除が終わると、ナッシュさんがサンタさんのコスプレをしたりと、少し遅れたクリスマス気分を満喫しながら、とても和気藹々とした雰囲気で今年一年が締めくくられていったのだった。
|