この度、昇段審査の機会を与えていただき誠にありがとうございました。思い返せば、大学一年生時に早稲田大学同好会に入会し、まもなく卒業を迎えるにあたって昇段できましたことを感慨深く思います。
同好会に入会してから約四年、今でこそ隆盛を極めていますが、一時は「いつなくなるか」といわれたものでした。稽古参加者が二人ということも珍しくないなかで、同好会を指導していてくださった富本先生、森先生のお力添えのお陰で三十人越えという状況に至るまでになりました。人数も増えると強い後輩も多く育ってきます。時には切磋琢磨する相手として、共に辛い稽古を乗り越えた仲間として、自分の力を引き出してくれた同好会の皆にこの場を借りてお礼を言いたいと思います。
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早稲田同好会一同
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自分自身の空手に対する姿勢の転機となったのは、選手稽古の参加と少年部の指導です。緑帯の頃ですが、新宿道場の少年部の指導補助をやってみないかというお誘いがありました。正直なところ子供達とどう接すれば良いのか分からず、自分にその役目が果たせるのかという思いが強く、尻込みしていました。そんな折、「何事も経験だからやってみればいい」と背中を押してくれた森先生に今は感謝しております。自分の中で消化できていないことは人には教えられません。さらに少年部には分かりやすく、楽しく空手を教えることが要求されます。普段の稽古でもこれを踏まえることにより、明確な目的を持つことができました。現在でも試行錯誤が続きますが、子供達の無邪気な笑顔と無限の発想を損なわず、さらに空手を好きになってもらえるような指導を心掛けたいです。
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新宿道場幼・少年部と |
選手稽古での一場面 |
土曜日は少年部の後に選手稽古があるため、ごく自然な流れで試合が近いならと参加させていただいたのですが、周りは全日本選手ばかりで練習についていけませんでした。毎週のように倒され、心が折れそうになりましたが、ここが踏ん張りどころだと自分に言い聞かせて乗り越えてきました。
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試合でいい結果は残せませんでしたが、もっと強くなれると信じてこれからも稽古に励みたいと思います。
「武の道は千日を以って初心とし、万日を以って極となす」山田師範がよくおっしゃられるこの言葉を借りれば自分はまだ初心を少し過ぎたところです。今まで出会った黒帯の先生、先輩方の様な空手に対するひたむきな姿勢、人間的な素晴らしさを見習い、万日を目標にして精進していきます。私事ながらこの春、大学を卒業して四月からは社会人としてのスタートを切ります。今まで以上の荒波が待ち受けているでしょうが、極真空手で培った精神力で乗り越えていきたいです。
最後になりましたが、山田師範、阿曽師範代をはじめ、諸先生、先輩方のご指導、ご鞭撻のお陰で黒帯取得まで至れましたこと、心より感謝申し上げます。また、新宿道場をはじめとする道場生の皆様には同好会を温かく迎えていただきありがとうございました。今後とも東京城西支部の、そして同好会のさらなる発展に微力ながら貢献できるように頑張りますので宜しくお願い致します。 |
左 鈴木潤 |