「なぜ山に登るのか。そこに山があるからだ。」
と、登山家は口を揃えて言うという。
東京城西支部から二名の選手が世界の頂へ挑戦した
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一人は昨年全日本大会4位に入賞している、
女子軽量級に出場の宮崎未絵。
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世界の舞台でどのような活躍を見せてくれるのか、彼女の普段の動き・空手への情熱から、期待しか浮かばなかった。 初戦。
初の世界戦ということで少々緊張していたのか、動きが固かった。しかし終盤持ち前の溌剌とした動きで辛勝。
二回戦。
相手は宮崎より、身長が10センチ高く、大柄な選手。しかし見た目は細身で、この試合も危なげなく勝つと思われた。が、世界の壁は厚かった。相手とのパワーの差は大きくあり、自分の動きが出来きず、敗退。彼女は試合後、「全ての面で足りない部分が多かった。また頑張ります。」と周囲に語った。 |
厚い壁の前に敗北した彼女だが、その前向きな心は世界一と言っても過言ではない。 |
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もう一人は高校生重量級出場の小林大起。
高校生ながら、一般の大会で上位入賞する「スーパー高校生」。
周囲の人間は、今大会は危なげなく、勝利するだろうと確信していた。 |
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予想通り、決勝戦まで快勝。
決勝戦。
本戦・延長、小林ペースで戦い、勝利は目前と思われた。
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しかし勝利の女神が彼に、試練を与えた。
体重判定により敗北。
後日、小林の腕の骨折が判明した。一回戦で痛めたと言っていたのだが、実際は大怪我だったのだ。
それでも戦い抜く彼の執念は世界一だったのではないだろうか。
山田師範は常々言う「山の頂を目指す時、目の前が霧で覆われる時もある。しかし到達点が見えない状況でも、前向きにその道を行けば、いずれか霧が晴れるときがくる。」競技者なら一度は目指す、世界一という名の頂。その頂に到達するのは最後まで
諦めない心が必要だ。二人が霧を抜けるのは時間の問題だろう。
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