試合当日の朝。
当然いつもセコンドに着いてくれる仲間はいません。ミットもありません。
日本人は少数。完全アウェイ。
そんな中でプレッシャーを感じるかと思いましたが、全く大丈夫で、
むしろ心が燃え、絶対勝ってやる!と気合いに満ちていました。
世界の壁にぶち当たってやる!そんな朝でした。
相変わらず、食事は口に合わなかったのですが、試合前なので無理やり詰め込みエネルギーもばっちり。
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出場全選手でバスに乗り込み会場へレッツゴー。
会場。
ロシア人から見たら、我々は敵であり異国の人間なので、かなりじろじろみられます。
異様な感じを受け、そわそわしてしまいました。(いつもそわそわしているかも)そんな中、徳田選手や谷口選手はさすがで、試合会場に着いても落ち着きがあり先輩として自分達を引っ張ってくださいました。
当日は試合より先に試割。(通常日本では予選があります)試技前からロシアの板は硬いと聞いていたのですが、実際ものすごく硬く、柔軟性がある板でした。全選手皆さんてこずっていたようです。今回僕は6枚でした・・・・正直落ち込みました。(笑)
試合開始。
日本チームは一回戦がシード。オセアニアチームとロシア4チームの勝ったほうとの対決になります。
僕の対戦相手は、オセアニアチームの194センチ135キロの選手( 上司似の滞在編に登場。 詳しくは
>>> )
ロシアのフセインエハリエフ選手(07ヨーロッパ大会中量級優勝)のどちらかでした。
結果はエハリエフ選手の飛び後ろ廻し蹴りでの技有りを含む、優勢勝ち。 |
上司にの選手対エハリエフ選手 |
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対戦相手はエハリエフ選手となり、上司との対決は実現しませんでした。
日本チームの出番がやってきました。
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日本チーム |
飛び後ろ蹴りで先制攻撃
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先鋒の谷口選手が引き分け。(かなり押してはいましたが)
内容としては有効打を当てていましたが・・・ロシアでは完全に決着を付けないと判定勝ちがないことが確認できました。
次峰の僕の出番がやってきました。
いつも僕は会場に上がる時ジャンプをするのですが(気合いを入れる為)、それがロシア人に大ウケ!
その歓声を聞いてより一層気合いが入りました。
開始早々後ろ蹴りを喰らわします!その後、胴回し回転蹴りで一本を狙った瞬間……バチん!と足に当たった感触が……なんと後ろ廻し蹴りが交差して相手の足に蹴りが当たっていました。
こんなことは生まれて初めてです。さすがにレベルの高い大会です。偶然かどうかはわかりませんが、カウンターを合わせてくるとは・・・
← 胴回し回転蹴りと後ろ廻し蹴りが交差する |
その後は一進一退の攻防で引き分けとなりました。
その後小暮選手が引き分け、徳田選手が勝ちを上げ、日本チームが勝利しました。徳田選手が勝たなければ危うく敗退するところでした。
準決勝 ― またもロシアチームです。
相手は全ロシアのチャンピオンのミハイル・コズロフ選手や世界4位のダルメン・サドボカソフ選手が率いる優勝候補最右翼ロシアチーム。谷口選手は世界大会でレチ選手を上段廻し蹴りで葬ったイリア・カルペンコ選手と対戦し、引き分け。
僕の番がやってきました!
気合い十分! 絶対諦めないと心に誓い試合上へ。最初はコズロフ選手を翻弄できたのですが、中盤あたりから諦めはしないものの圧力で押されてしまい敗退しました。
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コズロフ選手との試合 |
中盤から圧力によって押される |
自分の未熟さを痛感しましたが、自分のレベルが再認識できて、なんとも清々しい気分でした。当然悔しかったですが。
格上の選手と対戦したことで多くのことを学び、今後に生かせる予感がしました。
試合が終わったということで、出場選手達に挨拶に廻っていると…西ロシアチーム(レチ選手を含む)が試合の準備をしている……
西ロシアチームも準決勝で敗退しており、決勝には出ません。
僕達は頭が??となりました。
3位決定戦はないと聞いていたのですが……なんと!あるとのことです……
ないと思って一度気を抜いてしまい、なんとも複雑な気分です・・・・
3位決定戦はレチ選手ではありませんでした。
レチ選手は当日、次峰の選手と入れ替わり、僕の対戦相手はセルゲイニキシャエフ選手(身長185センチ100キロ)
世界大会にも毎回出場している常連さんで全ロシア大会やヨーロッパ大会で上位
進出している選手です。
レチ選手ではないとはいえ、荷が重い相手ではあります。(体重も重いですし)
試合開始!
谷口選手がレチ選手と真っ向勝負を挑みます。結果引き分けでしたが、勝ちでもおかしくない内容ではありました。今大会谷口選手の強さが際立ちました。
谷口選手の熱い試合を見て、やる気ないなんて言ってられる訳ありません。
試合上に上がった時には勝ちへの執念が燃え上がりました…
3位決定戦では世界への挑戦という気持ちは消え、勝利への執念に燃えていました。試合中に執念が爆発!自分よりかなり大きな選手にパンチ蹴りでダメージを与えることができ、内容も大変良いものでした…
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ニキシャエフ選手を攻め立てる |
ニキシャエフ選手に後ろ廻し蹴り |
が…延長のラスト10秒…セコンドの木山支部長の「倒せ!」という声が聞こえ、倒しにかかろうと全力でパンチを振りかぶり、相手選手の鎖骨にぶちこんだところ、その瞬間…相手選手がいやな顔をしたのでおもいっきり中段廻し蹴りを蹴ると・・・ なんと鎖骨うちがなぜか顔面殴打の反則。夢中になり気付かなかったようです。
自分の未熟さが露呈してしまいました。
しかも殴った後に蹴ったということで印象も悪く、注意を取られてしまい、先にお互い押しで注意を受けていたので、僕は減点になり、結果判定負け。
僕の負けが大きく響き、日本は負けて、3位である表彰台を逃したのでした・・
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「サヨナラ編に続く」
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