3月15日、まだ冬の肌寒さも残る中、野田市総合公園体育館において千葉県空手道選手権大会が開催された。
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今大会は、千葉県の大会でありながら、千葉県からはもちろん、県外からも全日本クラスの強豪が集い、熾烈をきわめた。
そんな中、優勝候補の一人として、城西支部から鎌田翔平先輩が出場された。
朝の9時を過ぎると選手たちが続々と会場に入っていく。
我々はまず控え室となっている格技室へと向かい、アップの準備を行った。
最初は冷えきっていた格技室だが、出場選手たちのアップが始まると、徐々に熱気が溢れてくる。
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そして、試合開始。
奇しくも今大会の第一試合は鎌田先輩の試合であった。
初戦、開始早々、鎌田先輩の突きが相手をとらえ、中段突きによる技ありをとると、そのまま鎌田先輩が試合のペースをつかみ、上段膝蹴りをきめて一本勝ちをおさめた。 |
一分足らずで初戦を勝ち上がり、今大会の壮絶な幕開けを飾った鎌田先輩は、二回戦を不戦勝で勝ち進み、三回戦へ。
むかえた三回戦でも、キレのある上段回し蹴りや後ろ回し蹴りなどダイナミックな技を織り交ぜながら終始試合のペースを握り判定勝ち。順調に準々決勝へと駒を進める。そして、準々決勝、ここでも鎌田先輩の勢いは失われず、優位に試合を進めていった。
しかし、残り30秒近くになって、鎌田先輩は相手の顔面殴打をもらってしまい、担架で運びだされてしまう。
しばらく休み、回復を待った上で、試合は再開された。ダメージが心配されたが、再開後も鎌田先輩はダメージを全く感じさせない動きで、判定勝ちをおさめる。 |
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つづく準決勝、ここでも不運なことに鎌田先輩は相手の顔面殴打をもらってしまう。しかし、相手の反則にも動じず、いつも通りのキレのある動きを見せた鎌田先輩は、膝蹴りや下段回し蹴りで相手を圧倒し、技ありをとって見事決勝へと勝ち上がった。
そしてついに決勝戦。
ここまで来たからには何としても優勝を勝ち取りたい鎌田先輩。無論、相手も同じ気持ちであろう。 |
しかし、優勝の座は一つだけである。
会場の熱気は最高潮となり、二人の試合に注目が集まった。
そして始まった試合。
この試合でも鎌田先輩は、序盤からこれまでの試合の疲れを全く感じさせない動きをみせる。
白熱する攻防の中、鎌田先輩の下段回し蹴りが見事に相手の足をとらえ、技ありをとると、下段を効かされ動きがとまった相手にすかさず蹴りを打ちこみ、再び技ありをとって、見事一本勝ちをおさめた。 |
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決勝戦を一本勝ちで勝ち抜いた鎌田先輩には、会場中から割れんばかりの拍手が巻き起こり、また、試合後には、多くの人がサインや記念撮影を求めて集まってきた。
そんな様子を見て私は、一人の人が懸命に闘い抜く姿には、こんなに多くの人に感動を与える力があるのだということを再認識することができた。
だが、鎌田先輩にとってはこの千葉県大会での優勝はまだゴールではないと思う。
きっと近い将来、ここで得た自信を糧に、全日本、全世界の高みへステップアップし、私たちに更なる感動を与えてくれることだろう。 |
レポート作成 斎藤翔大(早稲田同好会) |