極真会館・東京城西支部

今年の全日本ウェイト制大会は東京城西支部にとって試練の大会となった。
支部からの出場者は5名。
初出場の井上の緒戦は積極的に攻め、文句無い判定勝ちとなったが 2回戦の近藤選手との試合では、序盤は優勢に進めながらも中盤から経験の差が表れて無念の判定負けとなった。


同じく初出場の斎藤は緒戦で敗退してしまう。技術的には相手選手の上を行っていたが、強引に前に出てくる相手に下がりながらの攻撃になってしまい普段の威力を発揮することができなかった。


ベテランの西村は緒戦とは思えない調子の良い動きを見せたが決め手を欠いた為、延長戦にもつれた。勝利を確信した為に緩んだ気持ちを立て直すことができず痛恨の敗退となった。


そんな初日で気を吐いたのが若干18歳の小林大起。
	優勝候補の一人。正道会館の外岡選手と真っ向から打ち合い体重判定で勝利した。判定では常に小林に1～2本の旗が上がっていたので完勝と言えるだろう。

優勝候補最有力と目される鎌田翔平は、想像以上のプレッシャーの中で動きが硬くなるも実力差を見せつけ判定勝ちとなり、2日目へ駒を進めた。

2日目初日を突破した小林と鎌田に試練が襲いかかった。

まずは小林。相手は全日本ウェイト制での優勝経験を持つ兵庫支部の住谷選手。
	本戦、延長戦とも小林が積極的に攻め、数本の旗が上がるも勝負を決めるに到らず再延長戦にもつれてしまう。再延長戦では経験の差でペースを取られ、惜しくも判定負けを喫してしまう。入賞まであと1勝というところでの悔やまれる1戦だった。

続いて鎌田の準々決勝
	開始直後に相手選手の蹴りが金的に当たってしまい、一時試合が中断。再開するも再三金的を蹴られてしまい続行が不能となり医務室に運ばれた。回復後の再試合ではきっちりと判定勝ちを収めたがスッキリしない内容に一抹の不安を感じた。そして準決勝。相手は正道会館の沢田選手不安は的中する。

試合の前半は鎌田の下段蹴りが的確にヒットしてペースを奪うが鎌田が後回し蹴りを出した瞬間、両者がもつれ鎌田が倒れてしまう。担架で運ばれる鎌田。場内も審判も何が起こったか分からず、極真史上初のビデオ判定となった。結果は鎌田が胴回し回転蹴りを出すと同時に出した沢田選手の下段蹴りが鎌田の頭部にヒットした為の一本負けとされてしまった。その後の3位決定戦でも世田谷東支部の佐野選手に下段回し蹴りで一本負けをしてしまう。蓄積されたダメージによるものなのかは本人にしか分からないが、2連続の一本負けは優勝を狙っていた鎌田にとって経験したことの無いほどの屈辱だった。

	今大会、東京城西支部に大きな試練が立ち塞がった。だが、この試練を乗り越えられた時、更なる飛躍ができるはずだ。神は乗り越えられる試練しか与えない。